「ミラクル エッシャー展」表現力がハンパない版画

上野の森美術館で開催されている「ミラクル エッシャー展」が
始まってすぐから行列ができるほど人気らしい。

後半になるともっと混むことが予想されるので
早いうちにと行ってきました。

平日の昼前だったので行列はなかったものの
中に入るとやはりなかなかの人出。
特に高校・大学くらいの若い人が多かったのが印象的でした。

日本画の美術展だと年配者が多いし
作品によってターゲットってこんなに変わるものなのね。

エッシャーというとだまし絵という印象があるけれど
実はだまし絵はわりと晩年になって生み出されたものなんですね。
それ以前には風景だったり、人物だったり、広告だったり
さまざまな分野の作品がたくさん。

そして、その技術の巧みさがハンパないって。
緻密で表現力が豊かで、アングルもおもしろくて
そもそもの基礎技術が卓越していることがよーくわかります。

「カストロヴァルヴァ、アブルッツィ地方」。雲が表情を
出していてとても好きな作品です。























色彩が大好きな私は
実はモノクロの版画があまり得意ではありません。
でも、エッシャーの作品は
明るい夏の風景や海辺などを表情豊かに版画にしていたり
すごく緻密でモノクロ写真のように見える作品があったりと
表現力があって、色がなくてもとても魅力的。

リアルな作品を作る一方で
独特の視点でデフォルメもしたりしていて
だんだんだまし絵の表現が確立されて行くところも
とても興味深かったです。

もちろん最後に出てくるだまし絵の数々も
思わずじーっと見てしまうほどユニーク。
作品数も多くて、とても見応えのある美術展でした。
行列ができるのがわかるわあ。

早めに、できれば平日に行くことをおすすめします。

「バルコニー」。まるで魚眼レンズで見たような見事な
円形。緻密に計算して作っているのだそう。




















「静物と通り」。テーブルの上に通りができているのが楽しい。



















「爬虫類」。ワニが紙の絵から出て歩いていき、また紙の絵に戻っていま
す。平面と立体の融合はエッシャーの作品の個性の1つですね。