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10月, 2018の投稿を表示しています

フェルメール・シンジケートの日本人メンバーによる本「フェルメール最後の真実」

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あるイベントに申し込んだところ、新刊文庫本が送られて来ました。 「フェルメール最後の真実」(文春文庫)。 現在、上野の森美術館で開催されている「フェルメール展」に乗っかった 絵の解説本だろうくらいに考えていたら いやいや、その「フェルメール展」のプロデューサーによる フェルメール展の裏側を語ったドキュメントでした。 「フェルメール展」に乗っかったなんて思ってすみません! で、これがすっごくおもしろい! 世界には十数人の「フェルメール・マン」と呼ばれる人たちによる 「フェルメール・シンジケート」なるものがあって 各国で開催されるフェルメール展は フェルメール・シンジケートによって動かされているとのこと。 著者はフェルメール・シンジケートの日本人唯一のメンバーです。 こうしたシンジケートは 印象派やゴッホ、レンブラントなどにもそれぞれあるのだとか。 著者は 「日本で開催されたモネ展やルノワール展、ルネ・マルグリット展などでも 小規模なシンジケートが背景にあったはず」 と言います。 また、展覧会の成功はどんなメインビジュアルを使えるか、 つまり、メインの作品に何を持ってこれるか にかかっているのだそうです。 大掛かりな美術展であっても たった1つの作品で成功が決まってしまうのですね。 さらに、各美術館との実際のやり取りの内容や これまで日本で開催されたフェルメール展の裏話なども豊富。 これまで、美術展はどうやって開かれてるんだろうとか 学芸員は美術展にどう絡んでいるんだろうなど 気になっていたけどよくわからなかった舞台裏のことが とてもリアルに、実名入りで記されています。 ただ1つ残念なのは、この本のタイトル。 「フェルメール最後の真実」じゃあ 私のように「絵の解説本」と思い込んでも無理ないと思われ この本の内容やおもしろさを、全然伝えていないと思うのだけどなあ。。。 すごくもったいないと思います。 フェルメール展にはもう行ったのだけど この本を読んだら、改めて観てみたくなりました。 平日なら時間を選べば当日券もありそうだし もう一度行ってこようかな。 下はフェルメール展でもらったパンフレット(左)と 「フェルメール最後の真実」の本。 どちらもやはりフェルメール・ブルーで

町の小さな美術館

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美術館によく行くようになって知ったのは 東京都内とその近郊には 小さい町の美術館が驚くほどたくさんあるということ。 そこで、仕事や私用で行った町に美術館があって 時間にも余裕があるときには、フラリと立ち寄ったりしています。 最近行ったのは 南北線・東大前駅近くにある「 弥生美術館・竹下夢二美術館 」と 京王線・仙川駅から4分のところにある「 東京アートミュージアム 」。 どちらも初めて行きました。 弥生美術館・竹下夢二美術館は 2つが同じ敷地内にあって、館内でつながっているユニークな造り。 先にできたのは弥生美術館で 明治末から戦後にかけて活躍した挿絵画家・高畠華宵氏を中心に 挿絵・雑誌・漫画・付録などの出版美術をテーマに企画展を開催。 竹下夢二美術館はその名の通り 夢二氏のコレクションを展示公開しています。 それらの作品も趣があって素敵だったのだけど 弥生美術館ではたまたま 「 集英社デビュー50周年記念 一条ゆかり展 」が開催されていて これが思いのほか充実。  一条ゆかりさんや担当編集者のコメントが豊富にあって どういう思いでその漫画を描いていたのかがわかり 一条さんファンでない人にも楽しめる内容になっていました。 12月24日までやっていますので、機会があればぜひ。 東京アートミュージアムは 2004年にできた、まだ新しい美術館。 安藤忠雄氏が設計したというだけあって斬新な造りで 外の景色が見える、天井まで続く大きな窓があったり。 他にも外光を取り込む工夫があちこちにされていて コンクリートの打ちっ放しでありながら やわらかい雰囲気に満ちた美術館でした。 町の美術館は規模が小さいので、作品数も少なく よほど好きな企画展でないと わざわざ観に行くのはちょっとためらってしまうけど 行ったついでに寄る場所としては、おもしろいですね。

「美術を楽しむ日」第1回記念イベントにて桃井かおりさん

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今年から、10月2日は「美術を楽しむ日」になったって 知ってました? 四美大アラムナイ (女子美術大学同窓会・多摩美術大学校友会・東京造形大学校友会・ 武蔵野美術大学校友会からなる四美大校友会同窓会連合)が 日本記念日協会に記念日申請して 2017年11月に登録認定されたのだそうです。 なぜ10月2日かつーと 「芸術の秋」として親しまれている季節の 美10(ジュ)2(ツ)と語呂が合う日だから。 ということで その「美術を楽しむ日」第1回記念イベントに行ってきました。 場所は東高円寺にある女子美術大学。 キンコンカンコンというオーソドックスなチャイムが鳴ったりして なんだか懐かしい気持ちになりました。 第1部は、文部科学省初等中等教育局視学官・東良雅人氏と 目黒区美術館の学芸員・降旗千賀子氏の講演。 降旗さんはユニークなワークショップや展覧会を多く開催してきた方で 赤、青、黒など色を切り口にした展覧会など 色彩好きの私にはワクワクする話がたくさんありました。 目黒区美術館はまだ行ったことがないけど 今度、色のワークショップがあったら参加したいなあ。 第2部は、女優の桃井かおり氏と 映画監督・CMディレクターの犬童一心氏によるトークライブ。 桃井さんは女子美の卒業生で、現在、客員教授もやっているのですね。 犬童さんは東京造形大の卒業生で、校友会の現会長だそうです。 このね、桃井さんがむちゃくちゃおもしろかった。 この人は監督などもやっているだけあって ものを作る、表現する、ということについてすごく考えていて 真摯に謙虚に関わろうとしていることが ひと言、ひと言からよく伝わってきました。 でも、話ぶりはいつものかおりブシ。 「昔は空撮っていうとすごく時間とお金がかかるものだったのよ。 今はドローンですぐできちゃうでしょ。 この間会った子は“スマホを投げて撮りました”って、何それでしょ」って 新しいやり方についても勉強してるし。 実は私、中学生の頃 女優・桃井かおりさんのファンというわけではなかったけど 桃井さんの表現力豊かな歌のファンで、レコードも何枚か持っていたほど。 その桃井さんを生で見て、話を聞くことができて ちょっと感慨も。 第1回だからか、学校関係の主催だか