転職エージェントがなかった時代の転職不思議体験

知人が転職エージェントを介して
希望にかなう会社への転職が決まったとのこと。
めでたい!

今さらですが
最近の転職は「転職エージェント」っつーものがあるのですね。

転職エージェントに依頼すれば
いろいろな会社の情報が入手しやすく
問題のある会社と知らずに入社してしまう危険性も
ある程度避けられる。。。

なんて考えていたら
昔、転職活動で遭遇した、ある会社を思い出しました。

その会社は銀座の、駅から徒歩5分の大きなビルにあり
企業の広報誌等を多く手がけている、中くらいの規模の制作会社でした。

書類が通り、面接に行ったところ
会社役員の男性と女性に、編集部に案内されました。

仕事内容などの説明を受け、「では面接を…」と会議室へ。
男性役員が社員達に
「誰か、会社案内を会議室に持ってきて」と声をかけたところ
シーーーーーーーン…。

20人くらいいた編集部員全員が
顔も上げず、返事もしない…。

この空気はなに?…とは思ったものの
すぐ面接に入ったので、そのことは忘れていました。

すると突然、会議室に電話が。

電話に出た男性役員が、不信な顔をして
「かきの木さんに電話なんだけど…」

「えっ!…」
まったく心当たりがなく、軽く混乱しつつ電話に出てみると…

「私、◯◯(その会社の名)の編集部の本田(仮名)といいます。
何も言わず、黙って聞いてください。
この会社、もうすぐ倒産しますよ。
前から経営も、社員待遇もすごくひどくて
編集部員全員が今月一杯で退社すると宣言したので
慌てて新聞に募集を出したんです。
倒産しなくても、皆、こんなところにはいたくないんです。
あなたはたぶん合格しますが、絶対入らない方がいいですよ。
あなたのためを思って電話しました」

と一方的に言い、ガチャリ。

動揺を隠して面接を続けたものの
役員達の言葉がまったく頭に入らなかったのは、言うまでもありません。

面接の数日後
その電話の言葉通り、合格の連絡がきましたが
もちろんお断りしました。

あの電話の内容が本当だったかどうかは、今も知らないのだけど
あの会社がかなり変なところだったことはたしか。

この当時は、転職エージェントなんてものはまだなく
自分で新聞や雑誌の求人を見て探すのが一般的。

求人欄に書かれている事がたよりなのに
面接に行ってみたら書かれていることと違った
なんてこともチラホラありました。

にしても、これはかなり珍しい体験で
私自身、ちょっとおもしろくもあったので
その後しばらく、面接というと妙な期待を抱いてしまう
変なクセがついてしまいました。

Edit Linkの招き猫
さわやかな風と暖かい太陽が心地よい季節。Edit Linkの招き猫の匹、
ももたも爆睡中。気持ちよくて手はパーに。