不染鉄展からのはがき掛軸

東京ステーションギャラリーで開催中の
没後40年 幻の画家 不染鉄展 暮らしを愛し、世界を描いた。」へ。

「不染鉄」と書いて「ふせんてつ」。
これはペンネームで
本名は不染哲治さんというのだそうです。
(のちに哲爾。鐵二とも号する)

水墨画が多く、色彩は決して多くないけど
緻密で立体的で、少しの色が効果的に使われていて
目線が常に俯瞰からというのもおもしろい。
ひと言でいうと、他では出会えないオリジナルな世界観。
見応えのある画でした。

この美術展で初めて知った画家ということもあって
全く期待せずに行ったのだけど、それだけに新鮮に楽しめました。
先入観なしに観るってやっぱり大事。

また今回は、掛軸の色が絵とそろえてあったり
不染鉄自身が書き込みをしてあったりと
いろいろ工夫がされているのも印象的でした。

私がいま習っているのは「Encadrement(アンカードルモン)」という
いわゆる「フランス額装」と呼ばれるものですが
掛軸は、いわば「ジャパニーズ額装」だなと。

なんて思って、軽い気持ちで検索してみたら
海外のファブリックなどを入れてインテリアとして楽しむ「今様掛軸」や
好きなポストカードを飾る「はがき掛軸」なるものも
あることを知ってビックリ!

掛軸も現代インテリアとしてアレンジがされているのですね。
ますます掛軸と額装は近いわぁ。

でも…掛軸には手を出したいという気にならない私。
もともと日本画にそれほど引かれないからかしら。

掛軸は色や飾るものは変わっても、基本の形は同じで
それがちょっと残念な気がします。
元の形を残しつつも、もう少しアレンジしてもいいんじゃないかなあ。
なんて、勝手な素人意見です。

いずれにしても、こういう世界が広がるのは
なんだか楽しいことのように思います。
掛軸の人達にもぜひ頑張ってほしい。

写真は大国魂神社で7月20日に行われた
「からす団扇」「からす扇子」頒布の様子。
この扇を以て扇ぐと、農作物の害虫は駆除され、又病人は直ちに平癒し
玄関先に飾ると魔を祓いその家に幸福が訪れるといわれています。