書くより話した方がいいライターさん
新人ライターさんと一緒に取材に行き
編集を担当しながら、ライティング指導もする
という仕事をさせていただきました。
原稿をチェックしながら
「私もこういう部分が最初できなかったなあ」と
新人の頃のことを思い出したりしました。
私が初めて入った会社は
某大手出版社で「名物編集者」と言われていた男性が
独立して立ち上げたばかりの編集プロダクション。
社員数人の小さな会社でしたが
社長が大手出版社時代に一緒に仕事をしていた
フリーランスのベテランライターさんが
たくさん出入りしていました。
中でも強く印象の残っているのが
「書くより話した方がいいライター」さん。
30代くらいの男性で
観察力と記憶力、話のリズムと表現力が
めちゃくちゃ優れた人でした。
その人が取材から帰ってくると
取材現場やインタビュー相手の様子、ちょっとした出来事などを
人気お笑いタレント並みのボケとツッコミを混ぜながら
社長におもしろおかしく話して聞かせ
社長が笑いすぎて椅子からずり落ちてしまうほど。
すぐ近くで仕事をしている私たち社員もおかしくておかしくて
でも聞いていることを悟られてはまずいので
声を出さず、肩を揺らして笑いをこらえながら
仕事を続けた覚えがあります。
ところが、いざそれを原稿に書き起こしてもらうと
あの臨場感はどこにほかった?。。。と思うほど
地味で普通の記事になってしまうのです。
だから「書くより話した方がいいライター」さん。
ライターさんにもいろ〜んなタイプがいる、ということを
初めて認識した時でした。
写真は府中大國魂神社の枝垂れ桜。
今年もきれいに咲きました。