「村上春樹とイラストレーター」展と、手放せなかった2冊の本

村上春樹とイラストレーター
  - 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸 -」展へ行ってきました。
村上春樹さんとイラストレーターをテーマにした初の展覧会です。

私が紙の編集者として駆け出しの頃
和田誠さんと安西水丸さんはすでに堂々たる大御所。
お仕事をお願いする機会なんてほとんどなくて
でも、いろんな本や雑誌で毎日のようにイラストを拝見していました。

とくに安西水丸さんは
イラストレーター兼ライターだった友人が師事していたことから
どこか身近な印象を勝手に持っていました。
2年前にお亡くなりになったこともあって
その原画をどうしても見たくなったのです。

場所は西武新宿線・上井草駅にある「ちひろ美術館・東京」。

ちひろ美術館・東京
緑と赤屋根のコントラストが印象的。広い敷地にゆったりと建てられてい
ます。




















原画を1つ1つ見ていると、その魅力に改めてくぎ付けに。
個性は違えど、世界感がしっかりあって
イラストから放たれる強いパワーはあの時代そのものです。

和田誠さんのイラストは、やっぱりむちゃくちゃカッコ良い!
色使いひとつにもセンスがあって、見入ってしまいます。
安西水丸さんのイラストは今見ても鮮やか。
線も色も影も、曇りがなくて気持ちいい。

そして、4人のイラストが表紙や挿絵となった本や雑誌が
たくさん置いてあったのだけど
その中に自分が持っている本が2冊もあってびっくり!

というのも、もともと一度読んだ本を二度は読まないタチなのと
東日本大震災のときに背の高い本棚を置くのが怖くなって
本は一部を除いてすべて古書店へ渡してしまったから。

残したのは友人・知人が作った本と一部の趣味の本、
そして仕事に使う辞書だけ。
村上春樹さんの2冊は上記のどれにも当てはまらないので
本来なら処分してしまっているはずなのだけど
(事実、村上春樹さんの小説はすべて古書店へ渡しました)
この2冊はどうしても手放す気になれなくて
ひっそり持ち続けていたのです。

家にあったその2冊を撮影しました。
左「たて組ヨコ組 秋・第18号」
  ヨコ組/文章:村上春樹、イラスト:安西水丸、
右「羊男のクリスマス」
  文章:村上春樹、イラスト:佐々木マキ

村上春樹の本
















今見ても、何度見ても、やはりなかなか素敵な本です。
絵や文章だけでなく、本の発想自体がユニークで他にはありません。
処分せずに持ち続けていた自分を
「よくやった!」とほめてやりたい気持ちになりました(笑

そして帰る前にはお決まりの
ポストカードもたくさん買ってしまいました。

佐々木マキ
佐々木マキさん。ビビッドな色とシンプルな線が魅力です。


和田誠
和田誠さん。村上春樹さんの本のテイストとはちょっと違うカードしかなくて
残念。



安西水丸
安西水丸さん。あれもこれもとたくさん購入。クリアで気持ちいいイラスト
です。

















































原画の力は、印刷とはまったく違って圧倒的。
「村上春樹とイラストレーター   
  - 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸 -」展は
8月7日までです。