色彩にどっぷりハマれる一冊『色の知識―名画の色・歴史の色・国の色』

一度読んだ本は、読み返すことがほとんどない私ですが
最近、ちょくちょく開いては楽しんでいる本があります。

それがこの
色の知識―名画の色・歴史の色・国の色
(城一夫著、青幻舎刊)

色の知識―名画の色・歴史の色・国の色
右上のタイトルの地が銀色になっていて、置く場所や光の加
色が変わります。本の個性を良く表現している仕掛け。























昔から色彩が好きで
1年前くらいにネットで見つけ、即ポチ。

普段はすぐに帯を捨ててしまうのですが
この本は帯のコピー
「世界中を旅するように集めた550色」がとても素敵なのと
白と銀というシンプルな装丁に帯の色がよく映えるので
ずっとこのままにしています。

中身はというと
「西洋を中心に美術・デザイン様式の色彩や画家の色使い
世界の国々の色彩風景を文化史的に綴ったものである」
(同書・まえがきより)

古代エジプトの色やロマネスクの色など美術・デザイン様式ごとの色彩
画家や科学者など個人にまつわる色彩
各国の国旗や特徴を表す色彩など
ユニークな視点で分類された色がずらりと並んでいます。

前回のブログ
画家、オディロン・ルドンのミニチュアキャンバスを購入したことを
書きましたが
その日、家に帰ってこの本を見てみたら
オディロン・ルドンの色が出ていてびっくり。

オディロン・ルドンのページ
オディロン・ルドンのページ。


















ルドンはもともと黒一色の版画を作る作家だったとか。
30年間黒の絵を描き続け
50才半ばに華麗で幻想的な色彩画家に転身したのだそうです。
そんな物語を知ることができるのもこの本の魅力です。

先日は『福岡伸一のフェルメール 光の王国展 2015』を
観に行ったのだけど
フェルメールのページもやはりありました。

ヨハネス・フェルメールのページ
ヨハネス・フェルメールのページ



















今回のフェルメールの展示会の絵はすべて
”re-create(リ・クリエイト)=再創造”されたもの。
最新のデジタル画像技術によって
描かれた当時の色彩を再現したものだそうです。

それを見てから、この本を見ると
またフェルメールの色を新鮮に楽しむことができたり
別の画家の異なる色彩も見たくなったり。

ど〜っぷりと色彩にハマれる楽しい一冊です。